中高生対象の耐震ワークショップを開催
文京支部
米田 正彦(東京都建築士事務所協会文京支部)
ワークショップのちらし。
耐震実験模型(文京支部制作)。
耐震ワークショップ「ストローハウスをつくろう!」風景。
 東京都建築士事務所協会文京支部は、2016年1月23日、「文京区青少年プラザ」(愛称B-lab(ビーラボ)、建物の設計は株式会社日総建、2015年竣工)との共催により、中学高校生を対象とした耐震ワークショップ「ストローハウスをつくろう!」を実施した。
 竣工して間もない区内で初めての中高生専用施設「B-lab」は、「社会性を養い自立した大人への成長を応援する」というコンセプトで建設された、ラウンジやキッチン、スタジオなどを備えた施設である。このB-labが今回の会場となった。
 文京支部は日ごろから文京区に協力し、建築物の耐震化、まちの防災化を促進する活動を続けており、このワークショップは、それらの社会的貢献活動の一環として行ったものである。私たちは、建築のデザイン要素を多分に含む模型づくりを通して、文京支部会員が耐震技術を有するだけでなく建築をデザインする「建築士事務所」であることを少しでも知ってもらうことを意図した。さらに、現代の設計スキルとして重要かつ一般化しているワークショップという方法を、会員が体験実践するという研修目的を持っていた。
 当日、中高生には、耐震実験模型の映像を見せて、補強の有無による揺れ方の違いを観察してもらった。その後、中高で学ぶ物理学との関係を示しながら耐震化の基本的方法を説明した。
 ひと通りガイダンスを終えてから模型づくりをスタート。
 ストローとクリップという身近な素材を、建築の柱梁や筋交いに見立てて建築構造模型をつくるのだが、免震的な仕組みを考え出したり、各自制作したトラスを結合させてタワーをつくったりと、私たちの予想を超える創造性豊かな作品ができ上がった。
 その後、プレゼンテーションと講評を行い、模型をラウンジに展示した。このような企画を今後も継続できればと考えている。
米田 正彦(よねだ・まさひこ)
(株)ATELIERFOLIUM代表取締役、東京都建築士事務所協会文京支部 支部長
1962年生まれ/(株)坂倉建築研究所を経て、1998年 事務所開設/2006年 株式会社ATELIER FOLIUM一級建築士事務所に改称