私の趣味 第37回
“カバ”の休日
児玉 耕二(東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計)
お気に入りその1。ケニアの土産物屋で買い求めたもの。大きさは25cmほど。
お気に入りその2。真鍮製ペーパーウエイト。オランダの蚤の市で発見。
お気に入りその3。陶器製。4段重ねで愛らしい。
“カバ”グッズためのショーケース。
 “カバ”グッズを集め始めて、30年余りがすぎた。「何故カバを」とよく聞かれる。愛くるしい顔、水陸両用の生態、水の中では獰猛で強い、ナイルの守り神、カバに付く形容詞はさまざまである。どれもいいが、どれかが特に気に入って収集を始めたわけではない。強いて言えば多様な面相を持つところがいいのかもしれない。
 グータラな私にはちょうどいいコレクションである。“カバ”グッズはありそうでない、なさそうである。発見や出会いの楽しみがある。集めたカバには思い出がついてくる。旅先で手に入れれば旅の思い出、プレゼントされればその人との思い出。自作デザインのスタンプには創作過程の苦闘の思い出がある。

 お気に入りを3つほど紹介する。ひとつ目は木製で大きさは25cmほどあり意外と重い。ケニアの土産物屋であれこれ時間をかけて選んで買い求めた。存在感がある。ふたつ目は真鍮製ペーパーウエイト。オランダの「蚤の市」でたまたま発見したもの。この出会いでその日一日ウキウキした気分となったことを覚えている。3つ目は陶器製、4段重ねで愛らしい。旅の始めに買ったために旅行中ずっと割れないか心配しながら持ち帰ったものである。割れなくて安堵した思い出がよみがえる。
 “カバ”グッズはさまざま、ハンカチもあれば絵画もある。ホッチキスもあれば筆箱もある。スツールも指輪もある。さすがに実物をペットにするわけにはいかないので、愛くるしい程度で止めておくことにしている。それでも少し数が増えてきたのでショーケースに納めることにした。いまやショーケースがふたつ、3つと増えている。

 収集のきっかけは娘とカバの劇的な出会いからである。動物園でウトウトしていた娘がカバのダイビィングにビックリ目を覚ました驚きの光景に始まる。以来カバの存在が気になり、カバとの出会いを大切にして収集してきている。今後もカバとの出会いを楽しみ、グータラな収集を続けていくことだろう。
児玉 耕二(こだま・こうじ)
東京都建築士事務所協会会長、江東支部、株式会社久米設計
1951年 宮崎県生まれ/東京大学大学院修士課程修了/1976年株式会社久米設計入社/同取締役副社長を経て現在、同顧問/2017年 一般社団法人東京都建築士事務所協会会長/2020年 一般社団法人日本建築士事務所協会連合会(日事連)会長
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