はらっぱ防災フェスタむさしの2022
北部支部|令和4(2022)年8月27日(土)@都立武蔵野中央公園
小山 充男(東京都建築士事務所協会北部支部、建築工房 上二 一級建築士事務所)
消防隊による倒壊建物を想定した救助訓練。
木造模型による振動実験体験。(撮影:筆者)
 武蔵野市および(公財)東京都公園協会武蔵野中央公園主催の「はらっぱ防災フェスタむさしの2022」が、多くの市民と警察、消防、自衛隊などの各機関、市内の多数の団体が参加して都立武蔵野中央公園で行なわれた。今年はコロナ禍があったため、3年ぶりの開催となった。
 この公園の区域は、戦前、中島飛行機製作所という一大軍需工場があった場所で、戦後は米軍の住宅用地として使用されていたが、長い間の住民の要望が実って、公園として生まれ変わった経緯がある。普段は市民の憩いの公園となっているが、応急時は、地域の防災拠点としての役割も担った公園でもある。そのため、園内にマンホールトイレや、かまどベンチなどの設備があり、それを展示するブースも設置されていた。
 その他、各団体が出展した防災ブースでは、防災に関する知識や体験をするイベント等が行なわれていた。また、公園の中央のはらっぱ広場では倒壊した建物を想定した実物大模型が設置され、消防隊員の救助訓練の様子や、市民参加による火災を想定した放水体験、起振車への搭乗体験、自衛隊によるカレーライス炊き出し訓練などが行なわれた。
 北部支部は武蔵野市住宅対策課と共同して、建物の耐震補強の重要性を知ってもらう企画を催した。当ブースへの来場者には「木造模型ぶるる」を使って、建物(模型)を揺らしてもらうことで、筋かい、構造パネルなどの耐震壁やそのバランスの重要性などを体験してもらった。併せて、武蔵野市の耐震に関する助成制度の案内なども行なった。当日は残暑が厳しかったにもかかわらず、大勢の来園者が訪れ、市民の防災意識の高さが伺えた一日となった。
(小山 充男|北部支部)
小山 充男(こやま・みつお)
東京都建築士事務所協会北部支部、建築工房 上二 一級建築士事務所
1967年長野県松本市生まれ/武蔵野美術大学建築学科卒業