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コガデザイン──耐震改修を変える「制震テープ」
制震テープ工法
耐震だけでは不十分。制震だけでは損壊。耐震+制震で耐震性能が飛躍。
耐震だけでは余震のたびに耐震性能が低下していく為、大地震の後には再び改修が必要となります。耐震要素を無視して制震装置を設置しても、制振装置の部分だけが壊れず、その他の部分に力が集中して損壊することが予想されます。
「制震テープ工法」では、耐震改修個所に「制震テープ」を挟むことで、家をまるごと制振装置にする技術(メソッド)です。「制震テープ」が地震の力を熱に変えて消してしまうと同時に耐震補強箇所の耐震性能の低下を抑止します。「制震テープ工法」は地震後も大きな改修が不要になる可能性が高い技術といえます。
1. 評点到達が容易
耐震設計では、市販のソフトを使用し、一般診断法、精密診断法1(保有耐力法)、精密診断法2(限界耐力法)で計画できます。(制震テープに基準耐力、基準剛性、等価粘性減衰定数が認められています)
合板などの面材と合算できますので、1施工箇所当たりの数値が大きくなり、従来より楽に評点に到達できます。
2. 耐震性能の低下を抑止
机の上にピンで留めた紙を引っ張ると、力が1点に集まるためピンの位置で簡単にやぶれます。
ところが、両面テープで留められた紙はテープ全体で(=線で)力を分散して受けるため簡単にはやぶれません。
それと同じように、釘だけで留められた面材は、大きな地震では釘が揉まれ、釘穴が広がることで耐震性能を失っていきます。
それに対して、「制震テープ」を挟んだ場合には、釘の点ではなくテープが面で力を受けるため釘穴が広がることがなく耐震性能は落ちていきません。

また、制震テープには柱や横架材(特に土台)の割裂を防止する効果があります。
強い面材や釘の増し打ちにより大きな耐力を実現した場合、釘打ち箇所から柱や横架材が割裂することがありますが、制震テープが釘に力を集中させないため割裂現象を抑えることができます。
制震テープの耐震性能抑止効果は実験で確認されています。
3. 従来の耐震改修よりコスト削減可能
制震テープは制震効果を生み出す部材そのもので、躯体に直接挟み込んで働かせます。
伝達装置などが一切不要なため、30坪程度の一般的な改修では数万円の材料費しかかかりません。さらに、土台から桁まで施工しなくても柱の割裂の心配がありませんから、床天井間の施工で十分であるため、床天井を壊す必要がなく、その復旧費もかかりません。
僅かな衝撃吸収部材に力を集中させる装置と違い、大量の粘弾性体で分散して力を受け持つ制震テープ工法では、装置型より小さな引き抜きしかかかりませんので、無筋基礎でもホールダウン金物を使用する必要はあまりありません。
4.耐久性
制震テープはアレニウス法促進実験(90℃の環境での熱劣化試験)で8000時間後も変化率が10%以下に収まっており、20℃環境に置き換えると112年後も大きな変化がないという耐久性能が確認されています。
また、施工後は3代劣化要因である紫外線・酸素・水から遮断されますので、木造家屋の寿命の間に起こる地震に対しても安定した性能を発揮します。
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