支部リレー東京まち歩きMAP①:足立支部
あだち五色桜&公園巡りMAP
横村 隆子(東京都建築士事務所協会理事、一級建築士事務所横村隆子YHT環境設計)
あだち五色桜&公園巡りMAP(クリックするとPDFファイル「あだち五色桜&公園巡りMAP.pdf」が開きます。)

Aコース:あだち五色桜+50品種の都市農業公園+十月桜並木/扇大橋駅(自転車は高野駅)から谷在家駅まで9km
扇大橋駅0.5km→五色桜の散歩みち(荒川土手、4月上旬~中旬)4.5km→都市農業公園(バス便:東武バス 鹿浜都市農業公園発西新井駅行⇔西新井大師西駅下車)・北鹿浜公園(機関車と桜)・押部公園(3月寒緋桜)・上沼田北公園(タコ)2.5km→江北北部禄道公園(十月桜)1.5km→谷在家駅

B-1コース:舎人公園千本桜+毛長川水鏡桜/令人公園駅から見沼代親水公園駅まで5km
舎人公園駅→舎人公園1.5km→入谷緑地公園2km→舎人緑道公園(毛長川水鏡桜)・舎人いきいき公園(赤鬼)1km→境川部屋0.5km→見沼代親水公園駅

B-2 コース:見沼代親水公園+伊興遺跡+寺町/見沼代親水公園駅から竹ノ塚駅(東武スカイツリーライン)まで4.5km
見沼代親水公園駅→見沼代親水公園(桜)1.5km→保木間堀親水水路(伊興遺跡公園/竪穴式住居・伊興寺町)1.5km→尾竹橋通り1.5km→竹ノ塚駅

C コース:舎人公園千本桜+春と秋の十月桜+西新井大師/舎人公園駅から大師前駅(東武大師線)まで約6.5km
舎人公園駅→舎人公園1km→皿沼公園・江北北部緑道公園(十月桜)2km→谷在家駅1km→諏訪木西公園・高道東公園(桜)1.5km→玉ノ井部屋・大師北参道1km→西新井大師(五智山遍照院總持寺)→大師前駅(各コース共通:公園内散策距離は含まず)
十月桜/江北北部緑道公園 ①
 平成20年日暮里舎人ライナーの営業に合わせて、通学路の公園や緑道を地域住民を中心に区と協働で取り組んでいる花の散歩路でもある十月桜の並木道。春と秋に年2回開花9月中旬頃〜10月上旬に開花。
五色桜 ②
 白や黄色、薄紅や濃紅色など色とりどりの花が咲き誇り五色の霞がたなびくように見えたことから「五色桜」と呼ばれ、長く人びとに愛される多品種のサクラの総称という。(参考文献:『江北の五色桜』江北村の歴史を考える会発行)
伊興遺跡公園 ③
 縄文時代終わり頃(約4000年前)の土器、古墳時代初期(約1600年前の神に祈るときに使われた飾りや土器が出土され、当時も暮らしを再現した竪穴式住居がある。
西新井大師さま ④
 五智山遍照院總持寺。厄除祈願。毎月21日が縁日。初詣、節分会(近隣の玉ノ井部屋元栃東と力士・白鵬)。四季折々の花(梅、桜、牡丹、藤)の名所である。
左:桜 ②⑤⑥ 中:遊具 ⑦⑧ 右:防災 ⑨
建築ふれあいフェア絵葉書より。
50品種のサクラ/秋の十月桜
 足立支部では、複数の会員が代々足立区まちづくりカウンセラーとして、地域の方々とまちづくり活動を行っている(『コア東京』2020年12月号)。花見のサクラはソメイヨシノだと思っていたが、まちづくりカウンセラーの活動で、あだち自慢の50品種を超えるサクラ(区の木)や、秋にも開花する十月桜(約100本)という品種があることを知った。そこで日暮里・舎人ライナー沿線(JR山手線「日暮里駅」から終点「見沼代親水公園駅」まで所要時間20分)の見事な「あだち五色桜」をメインに、建築ふれあいフェアで紹介した絵葉書とともに、少し広域になるが複数コースで散策してみようと思う。
「あだち」は葦立から?
 足立区について少し紹介すると、東京23区の最北端に位置し面積は53.25㎡と23区3位の広さで、起伏のない地形のためかママチャリや乗り捨ての貸自転車も多い。
 その昔は海辺に面した湿原や荒地だったといわれ、「あだち」という名の由来には、周辺に葦が多く生えていて「葦立」といわれたのが「足立」になったという説もある。
 発展が始まったのは日光道中で最初の宿場、千住宿が定められた江戸時代から。明治以降は、軽工業・重化学工業が盛んになり、鉄道(東武伊勢崎線等)の開通とともに人口も増加した。現在は、北千住を起点にJR常磐線、東武線、東京メトロ日比谷線・千代田線・半蔵門線も乗り入れ、京成本線やつくばエクスプレスなど交通の便もよく、約69万人の人口(高知県と同じくらい)は、増加傾向が続いている。
魅力あるみどり空間
 足立区というと、千住のまちなみや路地裏のイメージがあるようだが、区立公園の面積が東京23区内で第1位(令和2/2020年4月1日現在、都立公園を含む総公園面積では江戸川区が第1位)で、公園が多い住みやすい住宅地でもある。ここで紹介する環七通りの北側や西部地区は、かつてはほとんどが農耕地だった。戦後、団地や戸建て住宅地となり、区画整理事業で農道が碁盤の目へ道路整備された折、地元の方々の尽力もあって多くの公園が創出された。
 私の事務所近くでは、緑道や桜並木が線となって、点在する公園をつないでいる。街路樹も周辺の日照に配慮し、東西道路は落葉樹、南北道路は常緑樹が植えられてきたが、花の咲く木や落葉の少ない木への区民要望もあるようだ。
にぎわいの公園/やすらぎの公園
 近年開始された区によるパークイノベーション事業では、ふたつのテーマが掲げられている。
 ひとつは「にぎわいの公園」で、子どもから高齢者まで、だれもが自分に合った過ごし方を見つけられ、多くの世代が集まり活発に活動できることとし、シニアの健康づくりのウォーキングの園路をはじめ、大人向け健康遊具もある。
 もうひとつ「やすらぎの公園」では、花や緑を楽しみながらベンチや陽だまりで静かに憩えることとしている。区民にとり「まちの庭」のような身近な公園の居心地は、愛着のあるまちづくりにもつながっている。他にも初詣や節分会、牡丹などの花も楽しめる西新井大師さまに代表される多くの名所旧跡もある。
児童公園とおもしろ遊具
 マップにプロットしたように公園の他に児童公園も多い。私事だが子どもが保育園に通っていたころ、園の散歩で遊び足りなかった遊具で「もう一度遊びたい」から始まった週末のおもしろ遊具探し親子サイクリングでは、当時区主催の名所・施設紹介スタンプラリーが行われたこともあり、区内公園巡りを楽しんだ。当時はサクラの品種の知識もなく、満開の桜並木をはしごしたり、毛長川の桜吹雪の中をよく走っていた。今はサクラの季節はゆっくりと花見散歩、新緑や紅葉の季節はサイクリングと両方で楽しんでる。
サクラ、水辺、緑のあだちへ
 今回紹介する4つの散策コースはそれぞれ5km前後に設定してある。南北に一直線に走る日暮里・舎人ライナーの駅間は約0.5〜1kmと近く、次の駅が見える。バス便(東武、都、コミュニティバスはるかぜ)利用や、ライナー途中下車など自分のペースで調整し楽しめる。ライナー沿線には、地域の花見スポットで有名な約1,000本のサクラのある都立舎人公園(64.5万㎡、ドッグラン、バーベキューコーナーなどもある)。荒川と新芝川の合流点近くには、一重や八重、薄緑色など50品種290本のサクラがある都市農業公園(3月中旬から4月下旬)があり、そこに続く荒川土手では、明治時代からアメリカワシントンD.C.と友好の縁があり、オーナー制度で募った区民寄贈の接ぎ木から成長した約600本の里帰り五色桜(多品種の総称)が楽しめる。
 春のあだち五色桜、秋の十月桜、JR山手線から10分程度で水辺と緑のあるあだち健康散歩やサイクリングへ、ぜひお出かけください。
横村 隆子(よこむら・たかこ)
東京都建築士事務所協会理事、足立支部、一級建築士事務所横村隆子YHT環境設計
1955年 東京生まれ/1977年 日本大学理工学部建築学科卒業/1996年 (有)横村隆子YHT環境設計設立
カテゴリー:支部 / ブロック情報
タグ:まち歩き